2025年7月3日、日本最大級のスタートアップカンファレンス「IVS2025」のサイドイベント『Ready Crew Innovation night 2 2025年の新規事業を語る|リアル×実践知の共有会』が開催されました。
「IVS2025」は、グローバルVC・Headline Asiaが主催する、次世代起業家たちが集う国内最大級のスタートアップカンファレンスです。フロンティア株式会社は、本イベントに3年連続で協賛し、今年はダイヤモンドスポンサーとして参画しました。
今年のIVSは7月2日から4日までの3日間にわたり開催され、当社は会期中に3回のセッションに登壇、2回のサイドイベントを主催しました。本レポートでは、そのうちの1つ、上記サイドイベントの模様を詳しくお届けします。
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本サイドイベントには、新規事業開発の最前線で活躍する“仕掛け人”たちが京都に集結。スタートアップや大企業、グローバル市場という多様な視点から、事業創出のリアルや意思決定の舞台裏、さらに普段は語られにくい失敗談まで、赤裸々なトークが展開されました。
「新規事業を生むために、本当に必要なものは何か?」
リアルと実践知が交錯した熱量あふれる夜をレポートでお届けします。
パネリスト:
・海野 慧 氏(IMA株式会社 代表取締役/Sustainable Food Asia 株式会社 代表取締役)
・土井 健 氏(ohpner株式会社 代表取締役)
・田中 翔理 氏(フロンティア株式会社 常務取締役 CMO)
モデレーター:
・藤澤さしみ 氏(ビジネスプロデューサー)
会場は、クリエイティブな挑戦者を応援するFabCafe Kyoto。木の温もりあふれる空間に、新規事業担当者やスタートアップ関係者など、多彩な参加者が集まりました。
冒頭は、地元食材を使ったケータリングを囲み、感想を交わす和やかな時間からスタート。会場全体に期待と好奇心が静かに広がっていきます。その後、モデレーター藤澤さしみ氏が「リアル×実践知の共有会」というテーマを紹介し、いよいよトークセッションへ。
登壇者は以下の通り。
まず、事業共創カンファレンスや東南アジアでのフードテック事業を展開する海野 慧 氏。続いて、オンライン広告からオフライン広告へと挑戦を続ける土井 健 氏。さらに、大企業とスタートアップの共創を牽引する田中 翔理 氏。そして、モデレーターを務めるビジネスプロデューサー藤澤さしみ 氏。
こうして、実践者同士の知見が交差するトークイベントが幕を開けました。
田中氏:どういう風に事業を作っているか、この会で話せるといいですね。
藤澤氏:そうですね。みなさん新規事業のプロフェッショナルということで。
土井氏:でも、新規事業を作る方って大体みなさん空振りしていると思うんですよね。
藤澤氏:いきなり鋭い切り口ですね(笑)。
一同:笑
土井氏:みなさん最初にプロダクトを作りがちですが、実はそれっていらないんです!
「お客さまに提供している価値は何か」をしっかり押さえていればいいんです。
テレシーを立ち上げた時、「根幹をダッシュボードで可視化」というような広告を出していたけど、最終的に形になったのは1年半後。お客様が本当に求めているのは効果測定ではなくテレビCMを実施することで、会社やサービスの認知があがり、結果として「売上が上がること」なので、そこを外さないことが本質なんです。
藤澤氏:赤裸々トークですね(笑)。
土井氏:結局は「売上を作れるかどうか」に尽きます。
テレビCMを出した後は、初期はエクセルかパワポでレポートを作っていました。ある程度売上が立った上でようやくプロダクトの制作に取り掛かったのですが、こういう工夫が本当に大事なんです。
以前fluctの社長をしていた時も、管理画面が見づらいと言われていたけど、結局大事なのは当時のお客さんであったネットメディアが「儲かる広告が流れること」。そこの根幹のロジック作りと体制作りにリソースを割いたら売上が劇的に伸びていきました。ほとんどの新規事業って、必要とされていないプロダクトやサービスの「手段」にお金をかけすぎなんです。
田中氏:それ、レディクルも一緒です。月30万円で案件を紹介していますが、管理画面はなくてメール対応のみ。でも成果は出ています。
土井氏:一番いい。ビジネスの本質ですね。
藤澤氏:すごい議論になっています(笑)。
一同:笑
田中氏:最適解かは分からないですが、結果として伸びてはいるので「良質な案件を提供する」という価値は出せていると思います。
藤澤氏:数字が出てこそ本質だ、ということですね。
土井氏:そう考えます。
私はテレシーで広告主として3年で13億円使いましたが、リスティング広告に50億円投じても3年後に覚えてる人はいない。でも、レディクルと同じで、タクシーCMを打つと、しばらく経っても「よく見ました」って声をかけてもらえるんですね。これがブランドのスタートです。結局、長期で見て意味があるものをやらなければいけないと考えています。
藤澤氏:そういう意味では、レディクルさんの戦略は理想に近いんですね。
土井氏:伸び方を見ていても本当にすごい。広瀬アリスさんの起用も印象的です。
藤澤氏:どんな戦略でここまで伸ばしてきたんですか?
田中氏:正直、運ですね。
藤澤氏:運!?(笑)
一同:笑
田中氏:過小評価されているメディアってあると思うんですよ。例えば、コロナ禍のタクシー広告。当時は需要が低く価格も安かった。そこで大量に出したら、1回乗るとCMが5〜6回流れる状態になったんです。それが大きなきっかけでした。それ以来、逆張りするスタンスを取っています。
土井氏:本当に上手いですね。それでいうとSkyさんの広告戦略にも同じ巧みさを感じます。
海野氏:新幹線に乗ると毎回見ますもんね。
田中氏:Skyさんに「なんでこんな出し方してるんですか」って聞いたら「看板です」と言われて納得しました。
土井氏:その答えはいいですね。
田中氏:デジタル広告はすぐに忘れられる。看板のように置かれる広告は記憶に残る。そこに強く共感しました。
藤澤氏:ここまでの話をまとめると、自社の価値をどう印象づけるかに集中するのが重要ですね。
田中氏:そう思います。多くの会社は小さな金額での投資判断には慣れていても、数千万円規模の投資になると急に消極的になる。理由は、成功する確信が持ちづらいから。でも、その一歩をどう踏み出すかが大事なんです。
海野氏:たしかに、大きな金額になると躊躇しますよね。
田中氏:以前、土井さんと話した際に「モビリティ広告150万円ならやるべき」と言われて、自分の金銭感覚とのギャップに気づきました。そこで「感覚ではなくビジネス上の合理性で判断することが大事だ」と学びました。
藤澤氏:IVSのスポンサーをしたのも同じ発想ですか?
田中氏:そうです。日本一経営者が集まる場所で一番を取れば、多くのリードにつながると考えました。
藤澤氏:分かりやすい!
藤澤氏:海野さんは株式会社じげんの時に事業開発をされていましたが、成功する事業の見極めポイントはあったのでしょうか?
海野氏:角度を変えると、どう良いM&Aをするかですね。気をつけていたのは「割安な案件を選ぶこと」です。スタートアップの世界では資金調達額ばかりが注目されてバリュエーションが高騰していましたが、当時は敢えて華やかではないけれど利益が出ている会社を重視しました。そこをデジタル化して伸ばすイメージです。
土井氏:足し算で事業を広げていましたよね。
海野氏:そうですね。足し算はもちろんありながら、そこから各社の事業を伸ばしていきました。事業的な攻めのシナジーはもちろんですが、それ以上に裏側の守りのシナジーが大切です。KPIや数字管理など。そこをしっかり全社で横串通すことで、事業モデルは異なってもしっかり営業利益を伸ばしていました。
藤澤氏:みなさんにお伺いしたいのですが、事業を始めるときの着眼点は何でしょうか?会社のビジョンなのか、5年後、10年後を見据えた成長のためなのか、絶対勝つ確信があるからなのか。いかがでしょうか?
土井氏:私はまず「自分が勝てる場所かどうか」を重視します。例えば東大出身の起業家が集まる領域には参入しません(笑)。
モビリティ広告がまさにそうですが、既に大きなお金が使われているテレビやネット広告に対して、比較的小さな投資で想定以上のリターンが出た時に「これは実態と世間の認識に乖離、歪みがあるからチャンスだ」と感じました。
例えば「バニラ」のように子どもから高齢者まで誰もが知っているこの認知度合いは、テレビCMに50億円投じても再現できない世界です。ということは、媒体そのものの強さが証明されているので、その特性を生かすことが重要だと思います。ニッチでもトップを取ればある程度の規模はでてきます。
私は自分を「大きなビジョンから入るタイプではない」と自覚しています。いけそうだと感じた一歩から動き出し、結果が出てから抽象化して整理する。実際、私がやってきたことはすべて後付けで語れるものです(笑)。
海野氏:それは本当にそうですね。
土井氏:だからこそ「いけそうな一歩を踏み出す」ことが最も大切だと思います。
藤澤氏:3名に共通しているのは「一歩目を踏み出すメンタリティ」だと思います。リスクを感じながらも一歩目を踏み出すからこそ勝機が生まれるというのはある気がしますね。
田中氏:そうですね。頭の中で「1件獲得したら利益はこれくらい」「広告費を差し引いたら残りはいくら」と計算すると、成立しない事業が多いんです。その中で最適解をどう導くかが、打ち手の幅を広げる鍵になると考えています。
藤澤氏:既存事業をしっかり運営しているからこそ見える視点ですね。
田中氏:例えばレディクルは、月30万円で販売させていただいているので、1本獲得したら年間360万円の利益が生まれます。でももしこれが1件あたり30万円しか残らない事業だったら、月に何件獲得すれば成立するのかと考えることになる。まずはビジネスモデルからシミュレーションすることが重要です。
藤澤氏:やはり一歩目をどう踏み出すかなんですね。
藤澤氏:海野さんは虎ノ門の一等地でURさんなどと組み、サステナブルフードミュージアムという施設を展開されています。
あのようなパートナーシップでの施設展開は明確な一歩目が見えていたんですかね?
海野氏:全然見えてませんでした!(笑)
一同:笑
海野氏:ここでは敢えて少し土井さんのお話しと角度を変えてお話ししますと、私はビジョンも大事だと思っています。「何を実現したいか」を明確に持つことが必要です。
私の場合は「食のエコシステムを作る」ことでした。国内外を問わず、食関係のスタートアップと大企業が出会い、事業提携や投資が生まれる場をつくりたいと考えていたんです。
最初は海外のスタートアップの商品を日本に持ち込み販売してみましたが、難しくて赤字続き。思い切って飲食店を立ち上げ、他のフードベンチャーの商品も並べましたが、珍しいものほど売れませんでした。もう飲食は諦めようかと思った時、URさんから「まちづくりを通じてイノベーションを起こしたい」と相談をいただき、全力で「食のイノベーション」を提案したのが始まりです。
「食」は誰もが当事者になれるテーマです。まちづくりとも非常に相性が良いということで提案が通り、プロジェクトが動き出すとテレビや雑誌などにも注目していただきました。結果的に取り組みが徐々に広がり、今では新橋虎ノ門エリアで関係拠点も3ヶ所に広がっています。
藤澤氏:本当にすごいモデルですよね。実現できたメンタリティはなんなんですか?
海野氏:強いて言えば…諦めないこと、ですかね(笑)
一同:笑
土井氏:でも、トライしてもがいて失敗したと思ったことが、やり続けたからこそ成功したって本当にすごい話ですよ。
海野氏:実際、1,000万円ほど失った時点で終わりにしようと思っていました。でも飲食店という場を通じて食のスタートアップとお客様の接点を創りにいっているようなプレイヤーは他にいなかったんです。そこを実際に展開していた私たちを面白がってもらえたのだと思います。
こうした新しい取り組みを通じて、虎ノ門を「食のスタートアップが集まるエリア」にしてエリアの価値、もっと具体的にいうと地価を上げていきたいと思っています。
土井氏:いやー、すごい。
海野氏:五反田だってIT企業がたくさん入ってきて「五反田バレー」と呼ばれて街の色がついたじゃないですか。街のブランドが上がれば地価も上がる。中長期的に見れば不動産の方々にも価値が生まれる。こうした仕掛けが業界全体を動かす流れを作っていると思います。
藤澤氏:土井さんに伺いたいのですが、新規事業には不確実性がつきものですよね。今の海野さんの話でもあったように、うまくいかなかったり、諦めようと思ったことが成功につながることもあると思います。立ち上げ時の心構えはありますか?
土井氏:私は海野さんと同じで、「致命傷以外は全部OK」だと思っています。海野さんも前に突っ込んだから成功したので、死なない程度の傷なら前に出るべきなんです。
ただ難しいのは、やり始めたからといって最後までやり切るべきか、明らかに見込みがないなら切るべきか。その判断も込みでチャレンジして転ぶ経験を繰り返していかないといけません。
田中氏:その思考はポーカーで学んだんですもんね(笑)。
一同:笑
土井氏:そうなんですよ。だから無理だと思ったら損切りは早いです。でも不思議と、当時やっていたことが10年後に活きることもある。無駄なことはないんです。
海野氏:私が面白いなと思った考えが、「新規投資は広告費だ」、というのがあります。尊敬する方が数百万円単位で出資する時にそう話されていました。
投資実行をすることそのものがその会社の取り組みや姿勢を世間に知らしめることに繋がりますから。だからどんどんやる。
興味深いのは、例えばベンチャー投資の観点でいくと、その時は成果を出せなかった人が、別のスタートアップで大きく飛躍することもあるということ。つまり、個別の案件だけを見れば失敗に見えることも、業界全体で見れば必ずしも無駄にはならない。むしろエコシステム全体の成長につながる。だからこそ、どの視点で成否を捉えるかが重要だと感じています。
土井氏:加えて言うと、道中で不義理をしないことが本当に大切です。自分が厳しい状況になった時、人を貶めるようなことをすれば一生その印象が残ります。成功しても失敗しても、そこは忘れてはいけないなと認識しています。
土井氏:新規事業って生まれない時は生まれないんですよ。でも、それでいいと思うんです。
私が意識しているのは「村をまたぐ」ということ。経営者村、広告村、起業家村、大企業村など、いろいろな“村”がありますが、一つの村にとどまらない方がいい。結局、その村で語られているのは、その村だけの常識でしかないんです。AIのように既存のものを組み合わせられる時代だからこそ、違う村の「当たり前」に触れたり、そこで認められることが新規事業の芽になります。
海野氏:実は今日着てきたTシャツ、IMAの社名入りなんですが、袖に「今をかきまぜろ」とプリントしてあって。土井さんの話とまさに重なります。
各村をまたいでみると、それぞれの村にヒエラルキーや著名人が存在しているけれど、隣の村に行けば誰も知らない。村ごとの違いを横断的に持ち寄ると「こんなことをやってるの?」という感動とともに、新しい何かが生まれるんです。
土井氏:自分自身にとっても村の横断はとても重要です。一つの村で努力し続けていたら「すごい」と言われて勘違いしてしまう。だからあえて別の村に飛び込み、何者でもない自分で挑むと、レベルアップできるんです。そうしたアウェイでの挑戦から新規事業が生まれることもあります。
海野氏:土井さんって生命力が強いですよね。
土井氏:いやいや、全部後付けです(笑)。
ただ、一つの村だけでやっていると自分自身への嫌悪感も生まれてくるんで、いろいろな村に行くようにしています。
藤澤氏:既存事業がAIの登場とともに形を変え始めていますよね。田中さんの会社のサービス「レディクル」でもこれまでテレアポで数字を伸ばしていたところにAIを取り入れると、伸び方が変わってくると思います。その時に既存事業の中で「変えるべき部分」と「変えてはいけない部分」をどう判断しているのか、気になります。
田中氏:私の中では基準が明確にあって、「感動を超えるかどうか」です。
お客様が言っていることは、頭ではなく全身感覚で理解すべきだと思います。例えば、既存事業で数十万円の利益が出ても「心の大切なものが削られている」と感じる瞬間があると思うんです。
海野氏:それ、実際に失ったことがある人の言葉ですね(笑)。
一同:笑
田中氏:多かれ少なかれ、誰しもそういう経験はあると思うんです。AIでマッチングを合理化しても、「本当にこれでいいのか…」と立ち止まることがあります。
土井氏:私も全く同じことをしているのでよく分かります。レディクルは「人(コンシェルジュ)が介在するビジネスモデル」だからこそ、今後さらに伸びていくと思うんです。なぜなら、人は「Aと言っていても心ではBと思っている」ものだからです。これはAIには読み取れないんです。
藤澤氏:確かに、AIは合理的にしか判断しないですからね。
土井氏:そうなんです。人と人が直接会うからこそ「本心ではBだな」と分かるんですよね。
海野氏:時には「むしろBの方がいい」と促すことで、相手も納得することがありますもんね。
土井氏:そして人間は行動経済学的にも不合理な生き物ですから、合理性だけで動くことは絶対にありません。だからレディクルは強いと思うんです。
田中氏:最近BtoBマーケティングの会社さんと話していて、「コンテンツマーケに向いている人相がある」と言われたんです。目が座っていて、口元がニヤけている人はコンテンツマーケが上手いらしくて(笑)。
藤澤氏:それはAIには分からないですね(笑)。
田中氏:AIが人相まで判別するのはまだ難しいですしね。でも、私自身最近よくご一緒している方々は、顔や雰囲気が似ていることが多いと気づいて。これもAIには分からない領域だと思います。
藤澤氏:「なんかいいな」という直感は確かにありますね。
土井氏:「なんかいい」という感覚はこれからの時代にとても大事です。
AIを使いこなして合理性を突き詰める方向に行くのか、人の不合理さを大切にする方向に行くのか、事業の作り方も二極化していくと思います。
藤澤氏:つまり「合理性で最適解を出す」のか、「不合理だけど“なんかいい”を大事にする」のか、ということですね。
土井氏:その通りです。AIは起こった出来事をパーツで解析しますが、結局最後は「人であること」が重要だと思います。占いや対人サービスが無くならないのはそのためです。みんな合理的な答えよりも「背中を押してほしい」だけなんですよ。だからレディクルはその強みを発揮できると思います。
田中氏:やりがいを感じられずに苦しんでいる方って多いと思います。AIに代替される領域だと、そもそもやりがいを感じにくい。だからこそ「自分が介在する意味を実感できるか」が大事なんです。AIにできないこと、誰もやっていないことに取り組むほど価値は高まると思います。
海野氏:私は、これからは競争社会で必死に走るより、その横で楽しそうに踊っている人の方が生き残る時代になると思います。周囲からは不思議に見えても、本人は楽しんでいるだけで、気づけば生き残っている。そんな世の中になっていく気がします。
土井氏:将来、ベーシックインカムまではいかなくても、仕事のための仕事をしなくてよくなる可能性はあると考えています。どう生きるか・どう楽しむかが仕事につながる時代になれば理想ですよね。
海野氏:労働生産性が変わっていく中で、週休3日制は十分あり得ると思います。その時に余暇を楽しめる人ほどビジネスにもつながるように思います。好きでもないことはAIに置き換えられる一方、自分が夢中になれることは強みになるはずです。それこそ演劇の世界も一気に伸びていくんじゃないでしょうか?
土井氏:伸びると思います。
海野氏:演劇を観るのではなく行う人が増えたり、人々が多趣味になっていったりする可能性は高いと思いますね。
藤澤氏:まさに落語の世界も同じです。プロは約1000人いますが、アマチュアはその倍以上。観る側より「やる側」が増えている。演劇や趣味の活動もそうですが、プロフェッショナルを体験するハードルが下がり、多様な職種や活動を楽しむ人が増えていくと思います。
藤澤氏:リアル×実践知から未来の話まで広がったところで、時間となりました。本日は貴重なお話をありがとうございました!
レポートには載せきれない裏話まで飛び出した今回のサイドイベント。
新規事業の酸いも甘いも経験してきた登壇者たちの言葉には、実践から導かれた“新しい事業を生み出すためのいろは”が凝縮されていました。
本イベントをきっかけに、「村をまたぐ」新しい挑戦者が現れ、次なる事業が芽吹く——そんな予感に満ちた時間となりました。
レディクルは、上場企業2,800社の利用実績がある企業と企業をつなぐビジネスマッチングエージェントです。高い傾聴力・提案力を併せ持つコンシェルジュが、システム、プロモーション他、企業のあらゆる発注業務に関わる悩みをヒアリングいたします。伺った内容を元に、レディクル独自のシステムで幅広いネットワークの中から最適な企業をご紹介いたします。外注先となる企業様からのみ費用を頂いており、発注元の企業様からは一切費用を頂いておりません。
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